遂に幕を開けた2025/26シーズン、シンガポールプレミアリーグの開幕戦。新たな船出を切るアルビレックス新潟シンガポールは、昨季リーグ4位のバレスティア・カルサFCをホームに迎え、初陣に挑みます。
試合は序盤からアルビレックスがボールを保持し、パスをつないで攻撃の糸口を探します。しかし立ち上がりはやや硬さが見られ、簡単なパスミスやトラップの乱れが重なり、なかなかリズムを掴めません。
相手は縦へのロングボールを多用し、前線のパワフルなFWを起点に押し込む場面を作り出します。守備陣は対応に追われ、徐々に嫌な流れを感じさせる展開となります。
すると8分、相手のセットプレーからクリアしきれず、こぼれ球を押し込まれて失点。試合の早い時間帯でのビハインドに立たされ、スタジアム全体に緊張感が漂います。失点後もボールはつなぐものの、決定的な形を作り出すことができず、もどかしい時間が続きます。
しかし前半中盤からは横畑匠海選手が前線でリズムを生み出し、徐々に攻撃の流れを引き寄せていきます。
30分、その横畑選手を起点とした攻撃から、ゴール前でのダイレクトパスがテンポ良くつながり、最後はアラバ選手が右サイドから鋭いグラウンダークロスを供給。走り込んだ石橋克之選手が右足で冷静に合わせ、待望の同点ゴールを奪います。
勢いづいたアルビレックスはわずか3分後の33分、左サイドでボールを受けた横畑選手が巧みなドリブルでペナルティエリアを切り裂き、キーパーとの一対一を冷静に右隅へと流し込み、逆転に成功!スタジアムは大きな歓声に包まれます。
前半終了間際には相手の高さを生かしたパワープレーに押し込まれる危ない場面もありますが、守備陣が体を張って凌ぎ、スコアを2-1としたまま前半を折り返します。
後半開始と同時に、エースの中埜信吾選手と新加入のディフェンダー飯田晃明選手を投入し、攻撃のギアをさらに上げにかかります。
後半立ち上がりには相手に決定機を作られ、ゴール正面からのシュートを許しますが、ゴールキーパーのハッサンサニー選手が反応良くセーブしてチームを救います。
その後は中埜選手にボールを集めて攻撃の起点を作り、リズムを取り戻します。66分には細かいパス交換からペナルティエリア付近で中野選手へ絶好のラストパスが通りますが、惜しくもフィニッシュは枠を外れます。
68分にはアラバ選手の仕掛けから得た右CKを西村蓮選手が蹴り込み、ファーでキム・テウ選手が完全にフリーでヘディング。しかしボールはわずかにポスト右に外れ、追加点の絶好機を逃します。
試合は緊張感のある展開が続きます。72分には自陣での不用意なパスミスからピンチを招き、相手のグラウンダークロスをニアで合わせられますが、これもポスト右に外れて難を逃れます。
何度も決定機を作り出すアルビレックスですが、追加点を奪えない嫌な流れのまま時間が進みます。迎えた83分、相手の右コーナーキックから再びゴール前が混戦となり、クリアしきれずに押し込まれて同点に追いつかれてしまいます。流れを掴みながらも勝負を決めきれない展開が続きます。
それでも選手たちは最後までゴールを目指し続けます。88分には横畑選手が左サイドから切れ込み、細かいタッチでペナルティエリアに進入して鋭いシュートを放ちますが、これもポストをかすめゴールとはなりません。
アディショナルタイムには自陣からの速攻でジュン イェン選手が持ち運び、右サイドの横畑選手に展開。クロスは相手に弾かれますが、そのこぼれ球を西村選手が拾い、再び鋭いクロスを供給。最後は中埜選手が飛び込みますが、わずかにタイミングが合わず、劇的な決勝点とはなりませんでした。
前半に逆転に成功し、主導権を握った時間帯も多かったアルビレックスですが、後半の数多くの決定機を活かしきれず、終盤に追いつかれて悔しいドローという結果となりました。それでも、チームとしての形は着実に見えてきているだけに、次戦ではフィニッシュの精度を高め、今シーズン初勝利を掴みます。
【次節試合情報】
9月12日(金) 19:30 vs. ゲイランインターナショナルFC
@Jurong East Stadium(アウェイ開催)
引き続き、熱い応援をよろしくお願いいたします!